富士フイルム X-S10レビュー|フジ歴9年ユーザーが感じた欠点とは?
暗い室内や夕暮れ時など、光量が足りないシーンで頼りになるのが「手ブレ補正機能」。
2022年11月時点で、富士フイルムのミラーレスカメラでボディ内手ブレ補正を搭載しているのは【X-H2S・X-H2・X-T5・X-S10】の4機種のみです。
その中で、もっとも軽量コンパクトなモデルが「FUJIFILM X-S10」
実際に使用して感じたメリットと気になる点を、率直にレビューしていきます。

手ぶれ補正機能やオート撮影モードのおかげで、カメラ操作が苦手な方にも簡単に綺麗な写真が撮れるカメラと感じました!
また「購入前に一度試してみたい」という方のために、レンタル料金や活用シーンについても紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。

FUJIFILM X-S10の外観

まずは、「FUJIFILM X-S10」の外観について紹介していきます。
一眼レフ風のスタイルがカッコいい

一眼レフ風のスタイルで、持った感触として「見た目よりも全然軽い!」という印象。
実際に旅行で長時間持ち出しても軽いので疲れませんでした。
カメラボディの背面ボタンの配置

背面はシンプルなデザインですが、操作ボタンの数は十分に揃っており、クリック感もしっかりしているため押しづらさはありません。
また、視度調整ダイヤルを搭載しているので、メガネの度数が合っていなかったり視力が低下している方でも、電子ビューファインダーを鮮明に確認できます。
初心者にも優しいモードダイヤル

X-E4やX-PRO3など富士フイルムの多くのカメラは複雑なモードダイヤルですが、「FUJIFILM X-S10」のモードダイヤルは非常にシンプルでわかりやすいです。
FUJIFILM X-S10のスペック
続いては、スペックについて紹介です。
| 型番 | X-S10 |
| 有効画素数 | 約2610万画素 |
| 撮影素子 | APS-Cサイズ |
| 記録メディア | SD,SDHC,SDXCカード |
| レンズマウント | FUJIFILM Xマウント |
| 手ぶれ補正 | センサーシフト方式5軸補正 |
| EVF | 0.39型TFTカラー液晶ファインダー 約236万ドット |
| 液晶モニター | TFTカラー液晶モニター 約104万ドット |
| 動画 | 4K動画対応 |
| ワイヤレス機能 | 無線LAN |
| 充電式バッテリー | NP-W126S |
| 静止画像撮影可能枚数 | 約325枚 |
| 寸法 | (幅)126mm×(高さ)85.1mm ×(奥行き)65.4mm |
| 質量 | 465g |
| 動作環境温度 | 0℃~+40℃ |
「FUJIFILM X-S10」は、約2610万画素と高画素なので、撮影した画像を後からトリミング(切り取り)しても画質の劣化が気になりません。

動画撮影をする方には、「手ブレ補正」と「4K動画対応」によって、スマホでは難しい“ボケを活かした”ワンランク上の映像表現が可能です。
FUJIFILM X-S10のメリット
それでは、実際に使ってみて感じた「FUJIFILM X-S10」の良いところを紹介しています。
- フィルムシミュレーションで多彩な表現が楽しめる
- 上位モデルと同じセンサーを搭載し、高画質を実現
- ボディ内手ブレ補正機能で安心して撮影できる
- 握りやすくて優れたホールド感がある
- バリアングルモニター搭載で自由なアングル撮影が可能
- 操作性が他社カメラに近く、初めてでも使いやすい
- オート機能(シーンポジションモード)が非常に優秀
フィルムシミュレーションで多彩な表現が楽しめる

多くのフジユーザーが富士フイルムのカメラを選ぶ最大の理由は、「写真の色味の美しさ」にあります。
富士フイルムのミラーレスカメラは、肌の質感を自然に再現できるほか、フィルムメーカーならではの色へのこだわりが随所に活かされています。

富士フイルムの色へのこだわりが伝わるのが「フィルムシミュレーション機能」です。
富士フイルムのカメラの特徴で、フィルムを替えるように写真の色味を変更することができます。
「FUJIFILM X-S10」は18種類のフィルムシミュレーションを使うことができます。

撮影する日の気分によって、フィルムっぽい写真やシネマ風の雰囲気のある写真にしたり、1台のカメラで様々な色味を楽しむことができます。

上位モデルと同じセンサーを搭載し、高画質を実現

「FUJIFILM X-S10」の画像処理とセンサーには、上位機種であるX-T4と同じ「X-Trans CMOS 4」と「X-Processor4」が採用されています。
ピントを合わせる精度やスピードも上位機種と遜色ない性能で、子どもの撮影やスポーツ撮影を問題なく行うことができます。

以前の富士フイルムのカメラは、ピント合わせが遅くてイマイチでしたが、2020年以降に発売された【X-S10,X-E4など】はピント合わせが優秀で使いやすくて、おすすめです。
ボディ内手ブレ補正機能で安心して撮影できる

「FUJIFILM X-S10」は、コンパクトなボディながら6.0段分の手ブレ補正機能を搭載しています。
暗いシーンでも手ブレを気にせず安心して撮影可能です。
握りやすくて優れたホールド感がある

一般的に軽量ボディは、重いレンズを装着するとバランスが悪くなり、ホールドしづらくなりがちです。
しかし、「FUJIFILM X-S10」は深いグリップを備えているため、しっかり保持でき、持ちやすさと携帯性を両立しています。
コンパクトなレンズから大型ズームレンズまで、幅広く対応可能です。
バリアングルモニター搭載で自由なアングル撮影が可能

「FUJIFILM X-S10」の背面モニターにバリアングル機能を搭載しています。
バリアングルモニターとは、上下に自由に回転できる可動式モニターのことです。固定式では撮りづらいローアングルや自撮りも簡単に行え、撮影の幅が広がります。
操作性が他社カメラに近く、初めてでも使いやすい

撮影モードを設定するモードダイヤルやコマンドダイヤルは、キヤノンやソニーのミラーレスカメラと操作性が似ているため、他社製カメラからの乗り換えもスムーズです。
オート機能(シーンポジションモード)が非常に優秀
「FUJIFILM X-S10」の便利な機能として、オート機能(シーンポジションモード)があります。
さらに、青空の写真なら青色を強調したり、明瞭度などの細かな設定も自動で調整してくれます。
シーンポジションモードがあれば、カメラの知識が無くても綺麗に撮影することができます。
FUJIFILM X-S10の気になるところ
「FUJIFILM X-S10」の気になるところは3つです。
- シャッターボタンの遊びが大きく、ストロークが長い
- バッテリーの持ちが悪い(長時間の撮影なら一日持たない)
- グリップの長さが少し短い
シャッターボタンの遊びが大きく、ストロークが長い

X-S10で最も気になるポイントがシャッターフィーリングです。シャッターの遊びが大きく、シャッターを押し切るまでフニャフニャした感触があります。
現在は気にならなくなりましたが、使い始めの頃は違和感が強かったため、購入時は少し注意が必要です。
バッテリーの持ちが悪い
FUJIFILM X-S10のバッテリー容量は小さく、バッテリー1個で1日中使い続けるのは難しいです。
半日ほど使用するとバッテリーが半分近く減ってしまうため、長時間撮影する日は予備バッテリーが必須です。
公式スペック上の撮影可能枚数は325枚ですが、動画も撮影しながら写真を撮るとバッテリーの消耗は早めです。

もし、バッテリー容量が不安な方は、後継モデルの「X-S20」がおすすめです。
撮影可能枚数が約325枚→約750枚に2倍以上の向上しています。
「FUJIFILM X-S20」について、こちらの記事で詳しく紹介しているので参考にしてください。

グリップの長さが少し短い
「FUJIFILM X-S10」のグリップは、男性の手だと小指がボディから少しはみ出します。
グリップは深くしっかり握ることができますが、欲を言えば「もう少し長さがあればさらに良かった」と感じます。
FUJIFILM X-S10に富士フイルムレンズを装着
続いては、富士フイルムのレンズを装着すると、どのような感じになるのか確認していきましょう。
XC15-45mm F3.5-5.6 OIS PZを装着
「フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」はFUJIFILM X-S10のレンズキットの標準レンズです。

レンズキットということもあり、「FUJIFILM X-S10」とのサイズ感は非常に合っています。

重量は約600gしかないので、旅行などの長時間カメラを持ち歩くときに、組み合わせとしてオススメです。

XC50-230mmF4.5-6.7 OIS IIを装着
「フジノンレンズ XC50-230mmF4.5-6.7OISII」は、FUJIFILM X-S10のダブルズームレンズキットの望遠レンズです。

「フジノンレンズ XC50-230mmF4.5-6.7 OIS II」は、レンズ鏡筒が細く作られているので、「X-S10」に馴染んでいます。

こちらのレンズの作例などが気になる方は、こちらの記事を参考にしてください。
XF16mm F2.8 R WRを装着
富士フイルムのXシステムは、多くのコンパクトレンズをラインナップしています。その中の1つが「フジノンレンズ XF16mmF2.8 R WR 」。

FUJIFILM X-S10のグリップの持ちやすさから、レンズキャップを装着しているような軽量感です。

コンパクトなレンズを装着することで、コンデジ並とはいきませんが、かなりコンパクトなサイズ感となります。
XF16mm F2.8 R WRの詳細レビューはこちらの記事を参考にしてください。

XF18-55mmF2.8-4 R LM OISを装着
FUJIFILM X-S10の標準レンズキットは「フジノンレンズ XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」と「フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R OIS」の 2種類があります。

「フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R OIS」を装着した様子です。

個人的には、この組み合わせが最も「カメラ」と「レンズ」のバランスがよく感じます。
「フジノンレンズ XF18-55mmF2.8-4 R OIS」の作例は、こちらの記事で紹介しています。

XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRを装着
「XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR」は望遠レンズらしいサイズ感。レンズの長さは13cm、レンズフィルター径が67mmです。

さすがにレンズが大きく見えますが、レンズとのミスマッチ感はありません。


レンズの重量は約600gありますが、「FUJIFILM X-S10」の深いグリップがあれば、重たいレンズでも快適に撮影することができます。
XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WRについて気になる方は、こちらの記事を参考にしてください。

「FUJIFILM X-S10」に合わせるレンズを迷っている方は、富士フイルム用のレンズをまとめた記事があるので、ぜひご覧ください。

作例









まとめ
今回は「FUJIFILM X-S10」を実際に使用してみて感じた良いところ,気になるところについて紹介しました。
今までの富士フイルムのミラーレスカメラは、AFの性能や操作性の問題から『万人にオススメできるカメラ』ではなかったのですが、「FUJIFILM X-S10」はみなさまにオススメできるカメラに仕上がっています。

スマホのカメラよりもワンランク上の写真を撮りたい方や、これからカメラの勉強をはじめたい方にとって、オススメのミラーレスカメラとなっていますので、ぜひ「FUJIFILM X-S10」を検討してみてください。
もし、FUJIFILM X-S10を「実際に使ってみたい」「手振れ補正を体感したい」という方は、カメラをレンタルするという選択肢もあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
